こんにちは!大塚@社会保険労務士です。
前回は中小企業の採用戦略として、大手と中小では土俵が違うというお話をしました。
待遇、育成、安定性。この3つでは、正面から戦ってもなかなか勝てません。大手は人事だけで何十人もいて、採用に何千万円という予算を投じている。同じ土俵に乗った時点で、分が悪いわけです。
ですが、ここからが本題です。
実はこの3つ、見方を変えると中小企業の強みそのものになります。今日はその中身を具体的にお伝えします。
目次
①社長との距離
②教育とその制度
③成長とその機会
④まとめ
①社長との距離
大手では、社長の顔を見ることすらめったにありません。入社式で遠くから見た。社内報で写真を見た。その程度という方も多いでしょう。
会社がどこへ向かおうとしているのか、生の声で聞ける機会はまずないはずです。伝わってくるのは、何段階も経由したあとの言葉になります。
ですが中小企業なら、社長の考えを直接聞くことができます。
「なぜこの事業をやっているのか」
「これから会社をどうしていきたいのか」
こうした話を、日常的に本人の口から聞ける。
さらに言えば、自分の意見が経営に届くこともあります。「こうした方がいいと思います」と言ったことが、翌週には実行されている。大手ではまず起こらないことです。
自分の存在が会社を動かしている。この実感は、想像以上に大きいものです。
②教育とその制度
大手には立派な研修制度があります。新入社員研修、階層別研修、外部講師を招いた専門研修。体系立ったカリキュラムが整っています。
ただ、そこで教えてくれるのは主に直属の先輩や上司です。社長や役員から直接指導を受ける機会は、まずないでしょう。
一方、中小企業ではどうでしょうか。
社長や経営幹部が、直接教えてくれることがあります。会社を立ち上げ、資金繰りに頭を悩ませ、社員の生活まで背負ってきた人間から、直接教わることができる。しかもそこで語られるのは、教科書には載っていない話ばかりです。
「あの時はこう判断して、結果的に失敗した」
「お客様にこう言われて、考え方が変わった」
こうした生の経験は、どんな研修プログラムでも再現できません。
しかも、教える側が普段から一緒に働いているので、その人の得手不得手を踏まえた指導ができます。マニュアル通りではない、その人に合わせた育て方ができるわけです。
③成長とその機会
大手では、分業が進んでいます。自分の担当する仕事が、会社全体のどこに効いているのか見えにくい。大きな組織の歯車のひとつ、という感覚になりやすいものです。
ですが中小企業なら、自分が手がけた仕事がそのまま数字になって返ってきます。
- 自分が考えた企画で、お客様が増えた
- 自分が改善した作業で、現場が楽になった
- 結果がすぐに売上に表れる
「自分も会社を動かしている大事な歯車になっている」
そう実感できる環境は、実はとても貴重です。
また、任される範囲も広くなりやすい。大手なら10年かかるような経験を、数年で積めることもあります。若いうちに責任ある仕事をしたい人にとって、これは大きな魅力です。

④まとめ
ここまで3つの強みをお伝えしてきました。
- 社長との距離が近い
- 経営を背負う人から直接学べる
- 成長を実感できる
ただ、大事なのはここからです。この強みを、ちゃんと言葉にして伝えられているかどうか。多くの会社は、これらを当たり前だと思っているので、求人票にも書いていません。「うちなんて普通だよ」とおっしゃる社長も多いです(笑)
ですが求職者からすれば、まさにそこが知りたいところなんですよね。条件で勝てないなら、勝てるところで戦えばいい。
「うちには何の強みもないよ」とおっしゃる方もいます。ですが、本当に何もないのであれば、今いる社員はとっくに辞めているはずです。残ってくれている人がいる。それ自体が、強みがある何よりの証拠だと感じます。
そして、それを言葉にできれば、ありきたりな求人原稿ではなく、5年、10年と使える自社の武器になります。
今回も最後までお読みいただき、ありがとうございました。


