こんにちは!大塚@社会保険労務士です。
社員同士がうまくいっていないとき、「相性の問題かな」と片付けていませんか。
確かに人間関係の問題ではあります。ですがその裏側に、伝え方と受け取り方のズレが隠れていることは少なくありません。前回は「伝え方」についてお話ししました。今回はその裏側、「受け取り方」について考えてみたいと思います。
目次
①伝えた側は気づいていない
②立ち止まる視点が必要
③だからこその第三者視点
④まとめ
①伝えた側は気づいていない
やっかいなのは、伝えた側に「自覚がないこと」です。
悪気がないからこそ「そんなつもりで言っていない」と本人は言います。ですが、受け取った側は傷ついている。このズレが、社内で静かに広がっていきます。
たとえば、上司が「もっと早くできないかな」と言ったとします。本人としては単なる業務改善の提案かもしれません。ですが受け取った側は「自分は仕事が遅いと責められた」と感じることがあります。
あるいは「前にも言ったよね」という一言。確認のつもりでも、言われた側は「覚えが悪いと思われている」と受け取ることがあります。
ここで難しいのは、一度「ハラスメントだ」と受け取られてしまうと、伝えた側からその印象を変えるのは難しいということです。
「そんなつもりじゃなかった」と説明しても、かえって言い訳に聞こえてしまう。場合によっては「認めない人だ」とさらに印象が悪くなることもあります。だからこそ、伝える段階で気をつけるしかないのです。
②立ち止まる視点が必要
とはいえ、受け取った側が常に正しいというわけでもありません。
「ハラスメントだ」と感じたときこそ、一度立ち止まってほしい視点があります。
- 自分にも心当たりはなかったか
- 言われた事実と、自分の感情を分けられるか
- 相手は何を伝えようとしていたのか
たとえば「報告が遅い」と指摘されたとき。言い方がきつかったとしても、報告が遅れていたこと自体は事実かもしれません。
言い方への不満と、指摘された内容の正しさは、本来別のものです。
もし言い方だけの問題で、内容そのものは正しかったのだとしたら、そこは受け止めた方が自分のためになるはずです。内容まで否定してしまうと、成長の機会を自ら手放すことになります。
ただし、これは簡単なことではありません。ハラスメントだと思い込んでいる最中に、これを一人で整理するのは至難の業です。人は傷つくと、事実と感情が混ざってしまうものですから。
③だからこその第三者視点
ここまで読んでいただくと、ひとつの結論が見えてきます。
伝えた側は自分では気づけない。受け取った側も一人では整理できない。つまり、当事者同士だけでは解決が難しいのです。
だからこそ、相談できる窓口と、その後の対応の流れを整えておくことが大切です。第三者が間に入ることで、伝えた側は「そう聞こえていたのか」と気づけます。受け取った側も、事実と感情を切り分けて冷静に整理できます。
大げさな制度でなくて構いません。「困ったときは誰に言えばいいか」が決まっているだけでも、社内の安心感は変わります。
ポイントは、当事者の直属の上司ではない人を窓口にすること。直属の上司が相手だと、言い出せないケースが多いからです。小さな会社であれば、社長が窓口になることもあるでしょう。その場合は「いつでも聞くよ」ではなく、定期的に話す時間を決めておく方が相談しやすくなります。

④まとめ
社員同士のトラブルを「相性の問題」で終わらせてしまうと、本当の原因は見えません。伝え方の問題なのか、受け取り方の問題なのか。あるいは両方なのか。それを整理できる仕組みがあるかどうかで、会社の居心地は大きく変わります。
こうした仕組みがある働きやすい会社には、自然と人が集まり、定着するようになります。
私がサラリーマンだった頃の社長は、かなりのワンマンでした。今思えば、パワハラまがいの対応を何度も目にしていたように思います。当時は誰も何も言えませんでしたし、相談できる場所もありませんでした(汗)
平成の時代はギリギリ許されていたのかもしれませんが、令和の今なら、間違いなくアウトでしょう。
時代は、確実に変わっています。
今回も最後までお読みいただき、ありがとうございました。

