こんにちは!大塚@社会保険労務士です。

「月給20万円〜40万円」

のように、応募を増やしたくて給与欄の上限をつい高めに設定していませんか?

応募を増やしたくて、給与欄の上限をつい高めに設定してしまう気持ちはよくわかります。経験やスキルに応じて幅を持たせたいというのは、経営者として自然な判断です。

ただ、この給与幅の「見せ方」を間違えると、求職者に警戒され、スルーされてしまいます。

例えば、お店で気になる商品を手に取ったとき、値札に「1,000円〜5,000円」と書かれていたらどう感じますか?

「結局いくらなの?」と不安になりますよね。

求人票の給与欄も、求職者にとってはこれと同じです。

今の採用市場では、求職者は何十もの求人を比較検討しています。少しでも「怪しい」「よくわからない」と感じたら、読むのをやめて次の求人票へスクロールしてしまいます。

今回は、応募が来ない求人票の給与欄に共通する3つのパターンと、その改善ポイントをお伝えします。

目次

①給与幅が広すぎて信用されない
②内訳が不明でブラック臭がする
③ターゲットが違うのに1枚にまとめている
まとめ

ダメな例:
「月給20万円〜40万円(経験による)」

上限を高く見せれば応募が増える。そう考える方は多いのですが、実は求職者が真っ先に見ているのは「下限」の方です。

上記の例で言うと、ほとんどの求職者は「自分はどうせ20万円スタートだろう」と受け取ります。20万円もの幅があると、上限はあくまで「飾り」にしか見えません。それどころか「本当に40万円もらえる人なんているの?」という疑念すら生まれます。

改善のポイントは、経験・年齢・保有資格など具体的な根拠に基づいた現実的な範囲に収めること。

そして上限に届いている人が実在するなら「入社5年目・○○資格保有・年収480万円」のようにモデル年収として示すことです。

求職者は「この会社で頑張ればこうなれる」という道筋が見えたとき、はじめて上限の数字を信じてくれます。

ダメな例:
「頑張り次第で月収40万円以上可能(手当込)」

この求人票、求職者目線で見るとかなり危険な書き方です。

基本給がいくらで、どんな手当が含まれているのか、内訳がまったくわからない。「諸手当込」の中に固定残業代が含まれていたり、営業手当や皆勤手当をすべて合算して総額を大きく見せていたり。こういった不透明な給与表示は、求職者から見ると「何か隠しているのでは?」という印象に直結します。いわゆる「ブラック臭」です。

特に転職経験のある求職者ほどこの手の書き方には敏感で、過去に「聞いていた金額と違った」という苦い経験をしている人も少なくありません。

改善のポイントは、基本給と手当を分けて記載すること。

残業代(固定残業代を含む)が入っているなら、それを除いた金額がわかるようにすることは必須です。書き終えたら「もし自分が求職者だったら、この金額を信じられるか?」と自問してみてください。

ダメな例:
「未経験者〜ベテランまで幅広く募集!月給18万円〜40万円」

間口を広げれば多くの人に届くはず、と考えたくなりますよね。ですが、これは可能性を魅せているように一見見えますが実は逆で、ほとんどの場合は誰にも響きません。

未経験者は上限の40万円を見て「自分にはハードルが高そう」と怖気づき、経験者は下限の18万円を見て「この会社は給料が安い」と判断します。

そもそも未経験者と経験者では、知りたい情報がまるで違います。未経験者は「研修があるか」「丁寧に教えてもらえるか」を気にしますし、経験者は「スキルがどう評価されるか」「キャリアアップの道筋」を重視します。

改善のポイントは、ターゲットごとに求人票を分けること。

例えば「未経験者向け」と「経験者向け」で別々に作成するだけで、同じ会社・同じ条件でも届き方がまるで変わります。

いかがでしたでしょうか。給与幅を持たせること自体は全く問題ありません。問題なのは、根拠のない幅の広さや不透明な内訳が、求職者の不信感を生んでいることです。

下限の根拠、上限への到達方法、そして内訳の透明性。この3つが揃っていれば、給与幅はむしろ「成長できる会社」という前向きなメッセージになります。

大切なのは、書き手が「もし自分が求職者の立場だったら」を常に意識すること。その視点があるだけで、求人票の印象は大きく変わります。

ぜひ、今すぐあなたの会社の求人票の給与欄を見直してみてくださいね。

今回も最後までお読みいただき、ありがとうございました。