こんにちは!
問い人材活力コンサルタント(社会保険労務士)の大塚です。質問をお届けして、企業を元気にしています!
本日は、賃上げに対する私の考えをお話しをさせていただきます。
目次
①賃上げの背景
②賃上げが当たり前の風潮
③厳しい時こそ想いを伝える
④まとめ
①賃上げの背景
現在、日本では賃上げの動きが加速してきています。
食品、電気代、ガソリン代をはじめ、値上げの一途を辿っているため、賃上げの流れが進むのは多くの方にとって喜ばしいことですね。また、政府も賃上げの後押しをしています。税制優遇や各種助成金の拡充を図り、企業が賃上げをしやすい環境を整えています。
これらは、テレビやネットニュースをはじめとするメディアで散々取り上げられていますので、あなたの会社の従業員さんも、賃上げをおおいに期待していることでしょう。
賃上げを期待するのは当然のこと。逆に上げてもらわないと、生活が困窮してしまう家庭が多くなる現状があります。
一方、企業側の立場はどうでしょう?あなたは、様々な想いを抱いているのではないでしょうか?
- 業績絶好調!賃上げもボーナスもドーンと!
- 物価高騰が著しい…それでも賃上げをしてあげよう
- 周りが賃上げしているから、うちも負けずに賃上げしよう
- 賃上げしたくても原資がない…
- 毎年人件費が高騰していて、本当に厳しい…
- 売上が上がっていないのに、賃上げするべきなのか?
②賃上げが当たり前の風潮
そもそも、なぜ賃上げをするのでしょうか?
- 業績が良好だから
- 頑張りに報いたいから
- 良い人材を獲得したいから
- 離職を予防したいから
など、様々な理由がありますね。
あなたも、従業員さんの生活を案じ、賃上げを考えているのではないかと思います。
ただ、こんなことを社労士が言ったら怒られるのかもしれませんが、私は賃上げが当たり前の風潮になっている現状に少し疑問を感じています。
なぜなら、多くの企業は苦しんでいるからです。
以前売れていたものが売れなくなった…という話しも聞きますし、コストがかさんで今年は赤字だ…という声も耳にします。
確かに業績が好調で来春には過去最高の賃上げを予定している、という企業もありますが、そんな企業ばかりではないということです。
ただ、そのような先行き不透明の中、実際には多くの企業で賃上げが行われていくでしょう。
以前、私の知り合いのベンチャー企業の社長さんがこんなことを言っていました。
「これから大きく成長をしていこうという中、新型コロナが蔓延し、業績が大きく足踏みしてしまった…。
ただ、従業員への期待を込め、なけなしの利益を原資にこれまでと変わらない賃上げを行った。
でも、従業員から感謝の声は少なく、行動や頑張りにあまり変化は見られなかった…」
あなたは、どう思いますか?
その方からすれば、身を切る思いで踏み切った賃上げでした。
感謝の声が少なかったこと、とても切ない想いをしたことでしょう。痛いほど気持ちがわかります…。
ただ、ある意味これは仕方のないことです。そもそも、社長さんと従業員さんのあいだには多くのギャップがある、ということです。
私は以前サラリーマンでしたので、従業員さんの気持ちもわかります。
従業員さんからすると、毎年決まった時期に昇給をするというのはごく一般的な話しである、ということです。
ですが、ときには社長さんは大きな覚悟を持って決断をしている、というのが賃上げの舞台裏です。
③厳しい時こそ想いを伝える
では、どうすれば従業員さんとのギャップを埋めることができるのでしょうか。
それは、従業員さんに率直に社長さんの想いを伝える、ということです。遠慮せずにカッコつけずに…です。
社長さんは、たくさんの想いや期待を込めて、お給料を支払いますよね?
もしかすると、恩着せがましいと思う従業員さんもいるかもしれません。
ですが、ギャップを埋めるためにはそれしかありません。
もし業績が好調なら…
従業員さんたちを思い切り称賛し、期待を込めたメッセージを届ければいいです。
もし業績が悪いなら…
みんなで盛り上げていくため、力を貸して欲しい旨の気持ちを込めたメッセージを届ければいいです。
そして、会社として5年後10年後どこを目指すのか、という会社の地図を描いていきましょう。
そのために必要なアイデアを、社長さん一人で考えるのではなく、従業員さんたちにも考えてもらいましょう。当事者意識を向上する、という観点でも有効です。
何を隠そう、私の経営するお店でも売りたいものが売れない…客数が減った…困った…ということは起こります。
ですが、私一人では解決できませんので、みんなに意見してもらっています。
経営をするのは私の仕事です。みんなを盛り立てていくため、背中を見せることをたくさんしてきました。
ですが、次第に従業員さんたちの方が私よりよっぽど優れている得意があることがわかってきました。ですから、ピンチの時にこそ力を借り、その対価をできるだけメッセージとともにお支払いするようにしています。
若い頃は誰にも弱みを見せずに威厳獲得に努めることをしていました…。ですが、私が頑張るよりもお客様からすれば70歳のおじいちゃんや若い高校生の頑張りの方がよっぽど響くんですよね(笑)
④まとめ
本日は「賃上げに対する私の考え」というテーマでお話しをさせていただきました。
賃上げが当たり前であることへ疑問がある、とお伝えしましたが、賃上げは多いに賛成ですし、最低賃金についてもコンスタントに上がってきており、良い流れが続いているなと思っています。
ですが、社長さんの想いが上手に従業員さんたちに伝わっていないケースを耳にすると、すごくもったいなさを感じるのです。社長さんと従業員さんたちの想いが重なり、同じ方を向いて会社運営が進むと、たくさんの良いことが起こります。
人事制度も給与制度も必要です。ですが、それ以前の大前提について持論を語らせていただきました。
あなたはどのような想いを持って、従業員さんにお給料をお支払いしていますか?