こんにちは!
問い人材活力コンサルタント(社会保険労務士)の大塚です。質問をお届けして、企業を元気にしています!

本日は、傾聴型のコミュニケーションについてお話しをさせていただきます。

目次

①傾聴とは
②傾聴すると起きること
③傾聴4つのポイント
④まとめ

①傾聴とは

あなたは、従業員さんの話しを傾聴する機会をつくっていますか?そもそも傾聴とは何でしょうか?

傾聴とは、相手の話したいことに対して耳を傾け、肯定的な関心を寄せていることをはっきりさせながら、共感してあげることです。

あなたは、話しをしている時に次のような経験をしたことはありませんか?

  • 自分が話しをしているのに、遮られた…
  • 自分が話したいのに、いつの間にか自分が聞き手にまわっていた…
  • 本音を打ち明けているのに、わかってもらえない…
  • あなたの話しはつまり〇〇でしょ?と言われるが、なんか違う…

これは、聞き手が傾聴しているつもりで傾聴できていない状態です。

傾聴するとは、極端な話しですが、相手の気持ちを本当に理解できるかどうかは関係ありません。そもそも理解するって、難しいですよね。

上司と部下なら、まず立場が違います。同僚同士であっても当然ながら、学歴や経歴、家庭環境も異なるわけですから、本当の意味で理解することはできません。

もし、自分と似通った人生を歩んできた人なら、理解してくれるかもしれません。
ですが、様々なタイプの者同士の集まりが「会社」ですから、そういう人だけを相談相手として選定するのは難しいものがあります。

ですから、重要なことは、話し手の想いを本当に理解できるかどうかは別として、肯定する姿勢、共感する姿勢を持って聞くことです。

②傾聴すると起きること

では、傾聴すると何が起こるのか?について見ていきましょう。

話し手は、自分の考えや悩みを整理することができる

考えていることや悩んでいることを、頭の中だけで解決しようとすると、わけがわからなくなる、という経験はありませんか?
人に話し、言葉にすることによって、自分の本当の考えや悩みを再確認することができます。

例えば、営業成績が低下している…という悩みがあり、上司に相談したとします。確かに、社会情勢が著しく変化している時代、思うように仕事が取れない現状はよく理解できます。

そして、次第に頭の中の整理が進み、本当の原因が明確になることがあります。

  • ここのところ、新規客が取れてない…
  • そういえば、最近リピート率が低下している…
  • 今までのやり方が通用しなくなってきた…
  • 現場が大変で、営業は仕事をとりたくても仕事が取れない… など

また、話しているうちに悩んでいたことが解決したり、そもそも大した悩みではなかったことに気付く、ということもありますね。

話し手は、聞き手を信頼するようになる。

私は、困っているとき、悩んでいるとき、誰か話しを聞いて~!となりますw
あなたも経験ありませんか?

そして、話しを聞いてもらえると、こう思います。
「この人は、真剣に話しを聞いてくれた…」
「この人は、話しに共感してくれた…」
「また、この人に話しを聞いてもらいたいな…」

聞き手に対して、次第に信頼を寄せるようになっていきます。逆に言うと、信頼できない相手に本音の考えや悩みを打ち明けることはありませんよね。

仕事において、一番大切なのは対人関係です。

何に悩んでいるのか…何に困っているのか…何に喜びを感じるのか…何に怒るのか…。
これらを知るには、やはり1対1で行うコミュニケーションが必要なのです。

③傾聴4つのポイント

いくつかポイントがありますので、順番にお話ししていきます。

(1)アドバイスしない、否定しない
相手は、あなたを信用して本音を話してくれています。ですから、相手が求めてもいないのにアドバイスしたり、あるいは否定すると本音を話さなくなる、ということが起こります。仕事をする上で、本音のない上辺だけのコミュニケーションに意味はありません。
もし、アドバイスを求めているのなら「アドバイスがあるんだけど、聞いてみる?」としてください。

聞きたいならアドバイスしてあげる、聞きたくないなら傾聴を続けるようにしてみてくださいね。

(2)共感する
SNSが年代に関わらず普及していることを考えると、「いいね」、つまり共感がもたらす効果は絶大であることがわかります。
いいね、というのは言っていることが正しいかどうかは関係ありません。相手が本音の話しをしてくれたことに対していいね、をしてあげるのです。

  • 喜んでいるのなら、その気持ちに対して…
  • 悲しんでいるのなら、その気持ちに対して…
  • 悩んでいるのなら、その気持ちに対して…
  • 何かアイデアが閃いたのなら、そのアイデアに対して…

ぜひ、積極的にいいね、をして共感してあげてください。

(3)適度にあいづちを打つ
あいづちは多ければ多い程いい、ということではありません。

あいづちが多すぎると…
話しづらい、ということが起こります。

あいづちが少なすぎると…
この人聞いてるのかな、ということが起こります。

相手の話すペースに合わせて、あいづちを打ってあげてください。

(4)的確に質問を入れる
話し手は、長時間話しをしていると詰まってきます。ですから、聞き手はタイミングをみながら質問を投げかける必要があります。
相手の話しを深める、あるいは広げていく必要があるということです。

質問する上で大切なことは、別記事でまとめていますので、見てみてください。

(1)~(4)に注意しながら話しを聞いてあげるだけで、従業員さんとの関係性はこれまでと全く違ったものになりますよ。

かく言う私も、これまでに失敗を重ねてきました。

私は立場上、経営するお店の従業員から、悩みや困りごとを聞く機会が多いです。
私はどちらかというと話しをするより、(自分では)聞く方が向いていると思っています。

私は、悩みを聞いていると、どうしても相手の悩みを要約するクセがあります。
あなたの悩みは、つまり●●ということでしょ?のように。

ですが、低くない確率で外します…。相手の表情をみると察します、しまった…違った…と。

ですから、現在はまずは相手が話し終わるまで、そっとしておく、ということをしています。
そして、悩みの要約が必要そうな場合には「もし認識が違っていたら教えてね」と一言付け加えるようにしています。

奥さんの行き場のない、なが~いお話しも、そっとしておくようにしています。遮ると怒られますよね、あなたも経験ありませんか?(汗)

④まとめ

本日は「傾聴型のコミュニケーション」というテーマでお話しをさせていただきました。

具体的な機会としては、できるだけ1対1で話しをするのが望ましいです。シフト制で難しい業種の場合には、出退勤の前後や空き時間で話しをするのがオススメです。

ただし、従業員さんがSOSを出していたら、傾聴するだけではなく、もちろん具体的なアドバイスが必要な場合も多くあります。
SOSを単に聞いているだけでは、先に進みません。

トップダウンを中心とした関わり合いも必要ですが、ぜひ、従業員さんの話しに耳とこころを傾ける機会を作ってみてください。こころの距離が近くなり、仕事がスムーズに進む関係性を作ることができます。