こんにちは!
問い人材活力コンサルタント(社会保険労務士)の大塚です。質問をお届けして、企業を元気にしています!

本日は、労働トラブルについてお話しをさせていただきます。

目次

①トラブルの定義
②トラブルは心身が困憊する
③トラブルをなくすには
④まとめ

①トラブルの定義

そもそもなぜ、労働トラブルが起きるのでしょうか?あなたはどう思いますか?

労働トラブルは100%例外なく、私は対人関係の不和の問題に集約できると考えています。
ある事柄について労使、あるいは従業員間に認識のズレがあると関係性に溝が生じ、やがてトラブルに発展します。

挙げればキリがありませんが、よくあるトラブル事例を紹介します。

(1)社員間の待遇差
 同じ仕事をしているのにあの人の方が給料が高い…
 同じ給料なのにあの人より私の方が大変な仕事をしている…
 私はほとんど有給休暇を使えていないのに、あの人は休んでばかりいる…

(2)入社後の労働条件
 転勤はない約束だったはずなのに…
 約束していた部署とは別の部署に配属された…
 求人票には残業はほとんどないと書かれていたのに実際には違った…

(3)上司と部下の関係
 もっと頑張れ!と言われるが、私はもう頑張っているんですけど…
 いつも言い方が強い…これってパワハラじゃないの…
 気を遣っているのか仕事をあまり振ってくれない…私もっとやれるのに…

当たり前のことではありますが、社会人として約束はきちんと守る、相手の気持ちを考える、これができないと信頼関係を構築することは到底できません。

信頼関係がないということは…

相手に自分の話しを聞いてもらえない…
自分も相手の話しを聞かない…

ということが起こります。

対話がなくなると相手が何を考えているのかわからなくなり、次第に関係性の溝が深まっていきます。

ですから、労働トラブルの構図は友人や恋愛あるいは夫婦のトラブルと全く同じです。すべて関係性の不和から生じるのです。

例えば、恋愛においては…

  • 待ち合わせに遅刻する
  • 約束をすっぽかす
  • 付き合う前には見せない本性(だらしないなど)を見せる
  • 相手が興味を示さない映画に連れていく
  • 相手が興味を示さない内容の旅行計画を立てる など…

これらが続ければ、関係に亀裂が入り、相手の心は遠くへ離れていきますよね。ちなみにこれらは私がやらかしたことではありません(汗)

②トラブルは心身が困憊する

何を隠そう、私の経営するコンビニでもトラブルは何度かありました。

若い頃は未熟さゆえに言わなくてもいいことを言ってしまったり、自分の言い分を無理矢理押し付けてしまうこともありました。

当時、私はこう思っていました。

「なぜ、上司の言うことが聞けないの?」
「なぜ、こんな簡単なことができないの?」
「なぜ、周囲をみて何をすべきか判断できないの?」

これではまるで、なぜなぜ攻撃をし始める好奇心旺盛な2歳児と変わらないですね…。

いざ、社内で実際にトラブルが起きると大変です。

言った言わないのオンパレード。挙句の果てにボイスレコーダーで録音しておけば良かった…なんてことを考えたこともあります。実際にやったことはありませんが…。そんなことをして勝ち負けをつけていたらもっとこじれて大変なことになっていたかもしれません。

トラブルの最中は、夜眠れないこともありました。

何が一番心配だったかというと、労働基準監督署にクレーム入れられたらどうなるんだろう?でした。
また、自社でトラブルの渦中にある一方が私である、なんてことは友人にも妻にも情けなくて誰にも言えませんでした。

この話しは何年も前の話しですから当時は顧問社労士をお願いしていました。ですが、何の相談に乗ってもらえるのかもよくわからなかったので顧問社労士に相談することもありませんでした。

トラブルの相手方も私と同じように不安、あるいは怒りを覚えていたことでしょう。

③トラブルをなくすには

過去の出来事を踏まえ、たくさんのことを考えました。私は何も間違ったことを言っていなかったはず…と何度も思いました。

そして、一つの答えに行きつきました。

「私は、自分のことしか考えていなかった」

「自分は間違っていない」「自分はそんな風に言われたくない」「自分の言うことをすべて受け入れてもらいたい」ですが、結局は人と人の付き合いですから、自分のことばかり考えていてうまくいくはずもありませんでした。

おそらく相手も全く同じことを考えているはずです。お互いに譲り合わなければ話しが全く前に進みません。

そこから私の導き出した結論は自分を受け入れてもらいたいなら、まずは相手を受け入れることでした。

別に相手の無理難題を受け入れましょう、というお話しではありません。

例えば…

  • なぜ働くのか?
  • なぜ自社を選んだのか?
  • どういう家族構成なのか?
  • どんなプライベートを送っているのか?
  • どんなキャリアを積みたいのか?
  • 何を大切に生きているのか?

ということがわかれば、相手の人となりや思考がわかるようになります。これらを踏まえて、対話を重ねることにより信頼関係を築いていけば良いのです。

どう思いますか?自分の考えや大切にしていることを真剣に聞いてもらえたら、それだけで関係性が一歩前に進みませんか?

先日、私の所属する経営者団体の先輩とお話しする機会がありました。

その方も労働トラブルに悩んだ時期があったそうです。社員のご家族の方との関係もよくない時期があったのだとか…。
ですが、その方は思考を切り替えて前向きに行動したそうです。

トラブルが起きたらどうするか?ではなく、
トラブルが起きる以前に、そもそもよりよい会社をつくるにはどうすればよいか?

そのためにたくさんの本を読み、たくさん人の話しを聞き、そして、試行錯誤しながらたくさんの改善策を講じてきたそうです。
その結果、現在では社内がまとまり、一丸となることができたそうです。

さらに、現状に満足することなく今でももっとよくするには?を考えているとのこと。
私がサラリーマンであれば、こんな経営者のもとで働きたいなと素直に思いました。

④まとめ

本日は「労働トラブル」というテーマでお話しをさせていただきました。

トラブルは百害あって一利もありません。強いて言うなら、今後トラブルにならないように勉強することができることぐらいです。
トラブルは疲れます。従業員のモチベーションの低下はもちろんのこと、離職にも直結します。経営者自身の心労も計り知れないですね。

ぜひ、トラブルが起きた場合の対処だけではなく、そもそもトラブル知らずのよりよい会社づくりの実践をしてみてください。