こんにちは!大塚@社会保険労務士です。

先日の記事では、求人票のちょっとした言い回しが求職者にブラックな印象を与えてしまっていることをお伝えしました。せっかく良い会社なのに、求人票の書き方ひとつで応募者が減るのは非常にもったいないです。

続く後編でも、特に慎重に伝える必要がある働き方(残業)とキャリアの未来について同じように見ていきます。

目次

①「残業あり」だけではブラック臭がある
②「残業なし」だけでは信用してもらえない
③「誰でもキャリアアップ可能」
④まとめ

多くの会社は多少なりとも残業(所定外、時間外含む)はあります。ですが、その程度を具体的に伝えないと求職者はそこにブラックな印象を持ちます。

「毎月どれくらい残業するの?」
「サービス残業があるのでは…?」

仮に長時間労働やサービス残業はなかったとしても、残業時間が読めないことは生活の見通しが立たない不安につながります。勤務時間をコントロールしないといけない層、例えば、子供のお迎えが必要な子育て中の求職者からは敬遠されます。

改善のポイントとしては時間数や時期を数値で示すことや、残業が発生する頻度を伝えること。合わせて、残業代も全額支給することも伝えると安心感がUPします。

■改善例
「基本は月10時間以内。繁忙期は月20時間以内が目安です。残業代は1分単位で全額支給いたします。」

こちらは一見ホワイトな内容です。残業がない会社を魅力的に感じる求職者は多いですが、一種の防衛本能が働きます。

「残業がないなんて本当?」
「いざという時はサービス残業…?」

特にこれまでにタイムカードを切った後のサービス残業が常態化していたり、自宅に仕事を持ち帰っていた経験のある求職者からは敬遠されます。

改善のポイントとしては、残業がないならその理由を伝えること。

■改善例
「基本は定時退社。以前は月20時間程度の残業がありましたが、生産性向上の取り組みや担当分担の見直しで無理なく終えられる体制としています」

キャリアアップ志望の求職者の方には一見ウケそうですが、抽象的過ぎてこちらもブラックな印象を持たれます。

「昇格したら定時に帰れなくなるのでは?」
「責任増えるのに給料が増えないのでは?」

改善のポイントとしては、次の3点を伝えることです。また、現に管理職として働いている人のリアルを伝えることも効果的です。

  • 裁量が与えられること。
  • 努力や成果が報酬へ反映されること。
  • 過度な負担にはならないこと。

■改善例
「新しい仕事に挑戦でき、役割が広がれば給与も段階的に上がります。管理職でも残業代は適切に支給します。」

求人票は、会社の都合だけ伝えるものではありません。求職者に安心できる未来をイメージして、興味関心をもらってもらうツールです。そのためには、表現に気を付けながら丁寧に自社の良さを伝えていく必要があります。

前編も含めて、今回はその中でも伝え方ひとつでブラックに捉えられてしまう6つの曖昧表現をご紹介しました。

①やる気があれば未経験でもOK
②アットホームな職場です
③頑張り次第で昇給・昇格
④残業あり
⑤残業なし
⑥誰でもキャリアアップ可能

④以外は一見ポジティブですが、ブラックな印象を持たれやすい典型的な表現です。だからこそ数字や背景、取り入れている仕組みをセットで伝えるだけで応募率も信頼も大きく変わります。

今回の求職者が「ブラック」と感じる6つの曖昧表現を用いていないかどうか、会社の求人票を確認してみてください。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。