こんにちは!
問い人材活力コンサルタント(社会保険労務士)の大塚です。質問をお届けして、企業を元気にしています!

本日は「仕事の悩みにまつわる上司と部下の関わり方」について私の考えをお話しをさせていただきます。

目次

①仕事の悩みを聞く
②悩み解決のための関わり方
③悩みは離職につながる
④まとめ

①仕事の悩みを聞く

あなたの会社では、部下から仕事の悩みを聞く機会を設けていますか?

現在はこれまで通りのやり方では生き残れない、商品が売れない、そんな変化の激しい時代を迎えていますね。
流行りのchatGPTをはじめとするAIの発達により、より付加価値が求められるようになってきています。また、会社によっては業務の簡素化・効率化を図ることを目的とし、これまでのアナログを排除し、デジタルの活用がますます進んできています。

このような変化の時代に対応していくためには、社長さんにも従業員さんにも多くの苦労があることと思います。

  • お客様が求めるものが変わってきている…
  • 競合が増えており、価格競争が起きている…
  • コロナの余韻もあり、ドアノック営業がしづらい…
  • 新商品の開発に斬新なアイデアが必要だが、出てこない…
  • 人件費や光熱費が高騰しており、利益を圧迫している…

など多くの悩みがあり、全員が自己解決できればいいのですが、難しいですよね。

そこで社長さんや上司の姿勢として大切なことは、悩みは放っておかないということです。

これは部下の悩みを先回りして、解決方法を1から10まで全て教えてあげるということではありません。
悩みを話す機会をつくってあげて、聞いてあげる必要があるということです。

(例1)目の前の壁を越えられずにいる

大きな悩みがあり、解決方法がわからず止まってしまっているパターンです。
上司に相談しても自分で考えろと言われそう…上司が忙しそうで相談できない…などの理由から打ち明けられずにいます。

(例2)やることが多すぎて、何から手をつければいいか悩んでいる

従業員さんのキャパシティを超えてしまっているケースです。
やることが多すぎて消化不良を起こしている…どれも時間のかかることばかり…優先順位を立てて進めたいけどどれも優先度が高い気がする…など業務を具体的に進める以前の段階で躓いてしまっています。

(例3)大した悩みがないことに悩んでいる

ルーティン業務がメインでモチベーションが下がっているパターンです。キャリアを大切にしていたり、チャレンジ精神が旺盛な方にとって大した悩みがない現状は逆に苦痛な場合があります。

挙げたのは一例ではありますが、どれも放っておいていいことはない悩みばかりです。
傍観するのが大切なケースもありますが、頃合いをみて、悩みを吐き出す機会をつくりましょう。

②悩みを解決するための関わり方

では、部下に悩みを解決してもらうにはどうすればよいでしょうか?

まず、大切なことは自分で道を切り開いてもらうことです。

先回りして解決方法を教えてあげると、もし解決しなかった場合に教えてあげた社長さんや上司の責任にされる場合があります。
また、自分の力で悩み解決できた、という成功体験をつくることができません。

ですから、まずは部下自身に考えてもらいましょう。
もし、解決に至らずショートしてしまっている場合には、考えるための道筋立てのサポートをしてあげましょう。

例えば、売上を上げることができないという営業マンがいたとします。
考えられる解決方法としては…

  • 新規客を増やす
  • リピート率を増やす
  • 商品価値を高める
  • 付加価値を届ける

ということがありますね。

悩みを抱えている部下が、どこに問題があるのか気付いていない場合には、現状を整理して気付いてもらいましょう。
そして、気付いたら次は行動フォローです。

とるべき行動をとっているか?

とるべき行動をとっているなら…

うまくいっていることは、そのまま進めてもらう。
うまくいっていないことは、なぜうまくいっていないのか部下に考えてもらう。
もし、アドバイスが必要ならした方が良いです。

とるべき行動をとっていないなら、それはなぜか?

単に行動していないなら、行動するよう促しましょう。
もし行動できない理由があるなら、その原因を取り除いてあげる必要があります。

③悩みは離職につながる

もし、悩みを聞く機会を持たず放っておくと、モチベーションが下がり、やがて離職につながります。
人材を集めるハードルが上がっているご時世です。

そもそも仕事の悩みを抱えるということは、それだけ部下が仕事に向き合っている証拠ですから離職は絶対に避けたいところです。

離職と言えば、過去に私の経営するお店で働いていた若い男の子を離職に追い込んでしまった反省体験があります。

その子は素直で真面目ないい子で、私は将来を期待していて、トップダウンでたくさんのことを教えてあげました。
私の方が年上で社会人経験もあったため、トップダウンでいいだろうと思いそのようにしていました。
そして、仕事で困っていることがあれば、やり方や解決方法を1から10まで教えてあげました。

そんな中、ある日突然辞めてしまいました。

理由は深くは話してくれませんでしたが、悩みを私に打ち明けることができず、煮詰まってしまっていたようでした。
期待を寄せていた私は、何とか引き止めようとしましたが、ときすでに遅しでした。
いま振り返ると、私は彼と向き合っているようで、本当は全く向き合えていなかったのだなと後悔しました。

こうして私は有望な人材を一人なくしてしまいました。

あなたも同じような経験はありませんか?

私は、この経験を教訓に、現在は悩みを聞く機会をできるだけつくるようにしています。
いざ、聞いてみるとこちらが思うところではないところで悩んでいることがあり、勝手な思い込みは本当によくないな…と感じます。

④まとめ

本日は「仕事の悩みにまつわる上司と部下の関わり方」というテーマでお話しをさせていただきました。

今回は上司と部下という構図で書きましたが、同僚同士でも全く同じです。

悩みを聞くということは、
話す側からすれば聞いてくれた相手に信頼を寄せるようになりますので、良好な人間関係の構築につながります。

逆に悩みを吐き出せない状況は、
自分自身を殻に閉じ込め、孤独感を高め、社内の人間関係の悪化につながっていきます。

あなたも会社を経営しているとたくさんの悩みがあると思います。定期的に吐き出していますか?
ぜひ、身近な経営者仲間や顧問税理士、あるいは私のようなコンサルや社労士などの会社経営に近い方に話してみてくださいね。