こんにちは!
問い人材活力コンサルタント(社会保険労務士)の大塚です。

私は人気グループAAAのSKY-HI(日高光啓さん)の「パワハラ疑惑」ニュースに関心を持ちました。

日高さんが代表を務める芸能事務所における主力の女性ディレクターS子さんが、事務所から受けたパワハラ行為により離職したとのこと。その後S子さんは、「適応障害」と診断されたほか、離職後には別の命にかかわる重病も発覚し、現在療養中とのことです。

ニュースの内容を細かくみていくと、S子さんと日高さんとあいだにいくつもの意見の食い違いがありました。

例えば…

パワハラの解決に関して、1000万円の口外禁止の慰謝料を求めたという疑惑がある。
→事務所は否定しています。

業務委託で300〜500時間、働いている。
→事務所は労働基準に則った適正な労働時間と、充分な休養をとるようお願いしている。

「反省会」でポストイットにS子さんの問題点を一枚ずつ書いたものを、スタッフに指示して机に貼り出させた
→ミーティングが行われたのは事実だが、内容は事実とは反する。

などが挙げられます。

そもそも事務所はS子さんに対して「尽力していただいて感謝している方の一人です」とのコメントを出しています。

このコメントから察するに事務所とS子さんとのあいだに当初はニュースで取り上げられているほどの軋轢はなかったことが伺えます。

労働時間

300〜500時間と聞くとあまりの重労働に驚きますが、そもそもは昭和から平成にかけては、特に芸能界など特殊な業界においては長時間労働は黙認されるのが常識だったかも?しれません(完全に個人的な見解です)。

しかし令和の現在はそうはいきません。

専門家としては、たとえ業務委託契約であっても安全配慮の観点で定期的な健康管理のための面談や従業員と近いレベルでの労働時間管理が必要であると考えます。業務委託契約だからといって口頭で休養をとるように…では済まされない現状があります。

そして業務を遂行する上で困りごと・悩みごとの把握、そして解決に向けて寄り添う姿勢が非常に重要であろうと考えます。

ハラスメント問題

ハラスメントに関しては、何を基準にハラスメントになるのかというのは本件に関わらずあちこちで問題になっています。そして受け取り側がどう捉えるかにより問題に発展するかしないかが大きく変わってきます。

伝える側として必要なのは…
雇用する側あるいは業務委託する側(本件でいえば事務所)においてハラスメント教育が必要であろうと考えます。

ですが、それだけではトラブルがなくなることはありません。どういう立場で、どういう想いを持って伝えるか?という伝える側のスタンスと、受け取り側がどう感じるだろうか?という想像力が一番重要です。

ですからハラスメントとはを一方的に説くのではなく、ひとりひとりがハラスメントかどうかの境界を考える、ということが大切ですね。特に芸能事務所などメディアから注目される対象であれば、なおさら必要です。

まとめ

労働問題全般に言えることですが、契約形態に関わらず結局トラブルの火種となるのは、コミュニケーションのズレ、つまり大体が関係性の不和から起きます。

ただし、現状として本件は双方の意見の食い違いがあまりにも多いので、そこが明らかになっていくこととまずはS子さんの体調の回復を祈るばかりです。

あなたはパワハラ問題をどのように考えますか?