こんにちは!大塚@社会保険労務士です。

「条件は悪くないはずなのに、なぜか若い人からの応募が来ない…」

もし、あなたがそんな悩みを抱えているとしたら、求職者から見てキャリアが描きづらい求人票になっていることが原因かもしれません。

特に若い人にとって、就職・転職は自分の人生の時間を投資する重要な決断です。彼らが考えているのは「この会社に入って、自分は何を手に入れることができるのか?どんな将来を迎えることができるのか?」という自分の未来です。

行き先の分からない会社に入社することは、「行き先の書かれていない航空券」を買うようなもの 。目的地(キャリアのゴール)が書かれていない航空機には、怖くて誰も乗りませんよね。

今日はそんな求職者の不安を解消するキャリアの可視化について、5つのポイントをお伝えします。

目次

①放置という名の恐怖を消す
②スキルを習得できる
③近い将来を見せる
社会的な意義を語る
⑤ロールモデルを見せる
⑥まとめ

「見て盗め」はさすがにもう通用しません。若い世代はやる気がないのではなく、「教えてもらえないまま失敗すること」に強い不安を感じています 。

ダメな例:
「先輩が丁寧に教えます(OJT)」

良い例:
「入社3ヶ月はメンターがつき、マニュアルに沿って基礎から習得できます」

ポイントは「誰が」「いつまで」教えるかを具体的にすること。「仕組み」があるだけで安心感は劇的に高まります 。

終身雇用が崩壊した今、若手は「会社に守ってもらう」ことよりも、「自分の力で生きていけるスキル」を求めています。 その会社でしか通用しない能力よりも、市場価値のある「ポータブルスキル」が身につくかどうかも職場選びの判断基準のひとつです 。

ダメな例:
「様々な経験が積めます」

良い例:
「実務を通じて〇〇の国家資格取得を支援。一生モノの専門スキルが身につきます」

「うちの会社をステップアップに使ってくれればいい」、それくらいの度量を見せる会社の方が、結果的に優秀な人材が定着します。

「頑張れば報われる」という精神論だけでは、ゴールのないマラソンと同じです。 特に今の世代は、「どれくらいの期間で、どうなれるのか」という見通し(いわゆるタイパ)を欲しがります 。

ダメな例:
「幹部候補募集!」

良い例:
「入社3年でチームリーダー、5年で事業責任者への登用実績があります」

3年後、5年後という「少し先の未来」を数字で見せることで、「目標を持って働けそう」というイメージが湧いてきます 。

「年商5億円を目指して拡大中!」 経営者には魅力的な目標でも、社員にとっては「私になんの関係があるの?」となりがちです。特に若い人は「その仕事が誰の役に立っているのか」という存在意義を大切にしています。「ただ売る」だけではモチベーションが続きません 。

ダメな例:
「地域No.1のシェアを目指します」

良い例:
「私たちの仕事は、〇〇という地域課題を解決し、子供たちが誇れる街をつくることが使命です」

中小企業にとって「何のために働くか」という共感ポイントは、大手企業の高い給与条件にも対抗できる強力な武器になります 。

求職者が見たいのはスーパーマンではなく、「自分と同じ悩みを持って入社し、乗り越えた先輩」の姿です 。

ダメな例:
「20代〜30代が活躍中の活気ある職場です」

良い例:
「入社2年目で店長を任されたAさんの失敗談と成長をホームページで公開しています」

成功談だけでなく、失敗談も交えたリアルな姿を見せることで、「自分でも大丈夫かな」という不安を払拭できます 。

採用においてキャリアパスを示すこと。それは、これから出会う仲間に対する「未来の約束」です 。

「うちはまだ制度がないから書けない…」という方も、大丈夫です。 大切なのは、社長であるあなたが「社員にどうなってほしいか」という想いを、具体的な言葉にして伝えること 。

「今は制度構築中ですが、将来的にはこんなポジションを任せたい」

そんなメッセージの一端を求人票に載せるだけでも、印象はガラリと変わります。 「行き先不明の航空券」ではなく、「ワクワクする未来へのパスポート」を、ぜひあなたの言葉で手渡してあげてください♪

今回も最後までお読みいただき、ありがとうございました。